破壊軍団

叢書TOKUMA NOVELS
出版社徳間書店
発行日1987/01/31
装幀板橋しゅうほう、矢島高光

内容紹介

物語の概要

『破壊軍団』は、山田正紀によるアクション小説の一作品で、〈スーパーカンサー・シリーズ〉の第一弾として知られています。主人公の県大輔は、大学受験に失敗した後、腕利きのトップ屋として活動する男性です。

ストーリーは、大輔がガールフレンドとドライブ中に、「Bombピザ」という商標の大型トラックとトラブルを起こすところから始まります。このトラックの荷台には戦車砲が積み込まれており、助手席からは美少女が助けを求めて飛び降りてくるという、奇抜な展開が物語の出発点となっています。

大輔は全身に銃弾を浴びながらも、奇跡的に生き延びます。その後、日本進出を決めたピザレストラン「Bombピザ」の経営者である岩動兵器から調査依頼を受けることになります。

作品の特徴

この作品は、山田正紀特有の斬新なストーリー展開と、主人公の驚異的な生命力が際立つアクション小説です。連続する危機的状況を、主人公が驚くべき回復力と行動力で切り抜けていく様子が描かれています。

作品の評価

エンターテインメント性の観点からは、スピーディな展開と主人公の驚異的な生存能力が魅力的な作品と言えます。しかし、山田正紀の他の作品と比較すると、いくつかの特徴的な相違点が見られます。

最大の特徴は、この作品における敵の描写です。山田正紀の多くの作品では、対立構造は存在するものの、善悪の二元論を超えた複雑な人物描写が見られます。登場人物の背景や動機が丁寧に描かれ、読者に多角的な視点を提供することが多いのです。

しかし『破壊軍団』では、敵が明確な「絶対悪」として描かれており、これが作品の深みを若干損なっている可能性があります。主人公の県大輔も、そうした敵対関係の中で比較的単純な動機で行動しているため、山田正紀作品特有の複雑な心理描写が希薄になっています。

結論

『破壊軍団』は、スリリングなアクションと驚異的な展開を楽しめる娯楽小説として評価できます。山田正紀の他の作品と比較すると深み足らずの印象は拭えませんが、純粋なエンターテインメント小説として十分に魅力的な一作と言えるでしょう。

スピード感のある展開、主人公の驚くべき生命力、そして奇抜な設定が、読者を物語の世界に引き込む大きな要素となっています。アクション小説を好む読者、特に山田正紀のファンにとっては、見逃せない作品と言えるでしょう。

文庫・再刊情報

叢書徳間文庫
出版社徳間書店
発行日1990/02/15
装幀 星恵美子、丸山浩信