内容紹介
本書は〈山田正紀コレクション〉の本格推理編として位置づけられ、路上探偵、映画探偵、放浪探偵という三人の個性的な探偵たちが活躍する5つの短編を収録しています。各作品は緻密なプロットと論理的な謎解きを特徴とし、読者を知的な推理の世界へと誘います。
収録作品
- 新築一年改築三回
- 脅迫者はバットマン
- 二十六日のイブ
- 見えない風景
- スーパーは嫌い
本書は〈山田正紀コレクション〉の本格推理編として位置づけられ、路上探偵、映画探偵、放浪探偵という三人の個性的な探偵たちが活躍する5つの短編を収録しています。各作品は緻密なプロットと論理的な謎解きを特徴とし、読者を知的な推理の世界へと誘います。
「ヘロデの夜」は、神や超越的存在と人間との対峙を軸に据えた作品群だ。表題作をはじめとする5篇は、それぞれ異なる舞台と視点で描かれつつも、「全知全能の存在とは何か」「人間はその前にどう振る舞うのか」という問いを共有している。SF作家として知られる山田正紀だが、本書ではサスペンスやジュブナイル、伝奇小説の要素も織り交ぜ、氏の幅広い作風が楽しめる。
短編集「夢の中へ」は、『少女と武者人形』の全編と「雪のなかのふたり」(『ヨハネの剣』収録)に加え、11篇の新作ショート・ショートを収録した作品集です。本書の特徴は、日常の些細な違和感から徐々に幻想的な物語へと読者を誘う構成力にあります。
短編集『1ダースまであとひとつ』は、そのタイトルが示す通り、完全なダース(12)のうち、あとひとつ欠けた11篇の物語から構成されています。SF、ミステリ、時代小説、ホラーなど、多彩なジャンルが融合したこの作品集は、読者に幻想的でありながらも現実味を帯びた物語世界を提供しています。本記事では、各短編の魅力やテーマ、そして山田正紀独自の文学的表現について詳細に解説し、現代文学における本作の意義を考察します。
本作は、犯罪や陰謀を題材にしつつも、単なるクライム・フィクションではありません。登場人物たちは、時に冷徹な計算を持ち、時に直感的な判断を下しながら極限状況に追い込まれていきます。そのゲーム性の高さは、『贋作ゲーム』や『ふしぎの国の犯罪者たち』と通じる部分もありながら、本作独自の切迫感が光ります。
量子コンピュータが霊的エネルギーを解き放ち、死後の世界の扉が開かれた。その先にあったのは、アメリカン・コミックのような極彩色の霊界だった!? 山田正紀のSF連作集『ジャグラー』の魅力を各エピソードごとに解説!
「宇宙犬ビーグル号の冒険」は、山田正紀が手がけたユニークなSF小説です。
主人公は、人類の最良の友とされるビーグル犬・シシマル。彼は異星人との接触によって高度な知性を得て、地球侵略を企む異星スカンクとの戦いに身を投じます。
犬が異星人と戦う?においコンピュータとは?異星スカンクの目的は?
青山の高層ビルという近代的な舞台が織りなす異様な事件、テクノロジーと怪奇現象の融合、そしてホラーとSFのあわいを漂う物語構造――これらが複雑に絡み合い、作品世界の奥深さを示しています。
深夜の老人ホームでの火災事故。4人の死亡者と1人の行方不明者を出した悲劇的な出来事から、「JUKE BOX」は幕を開ける。しかし、これは単なる悲劇的な事故の記録ではない。彼らの魂は、1950年代から60年代のアメリカンポップスが流れる異形の戦場へと誘われていく。
『ゐのした時空大サーカス』は、山田正紀の代表的SF作品の一つであり、時間と記憶という普遍的なテーマを独創的な視点から探求した作品である。本作は、地球に迷い込んだ宇宙の放浪者たちが、母船を探し求めながら時間を渡り歩く物語を、連作短篇形式で描き出している。