内容紹介
第10巻は時間のループという要素を軸に展開します。白蘭花と榊大作が二年間の空白期間から目覚め、アメリカのロボット軍団サンダーボルトとの決戦に挑む一方で、真澄公彦は円盤が変化した土偶の謎に迫ります。
プロローグは1992年から始まり、本編は1941年へと遡ります。この時間軸の大胆な操作により、第二次世界大戦を舞台にした架空戦記という当初の設定から、宇宙の摂理や人類の存在意義にまで踏み込む壮大なスケールへと物語は拡大していきます。
不安と月 「―会いたい、吾郎さん」
ファッションデザイナーとして華々しくデビューを飾り、中西財閥の総帥・中西圭一郎の支援のもとファッションショーを成功させた響結花は、静かにそうつぶやく。数年前、彼女の想い人である水島吾郎は北方ソ連領の日本群島人民共和国に亡命し、今は「影の艦隊」に身を投じている。一方、朝鮮戦争は激しさを増し、日本国内では日米安保条約締結阻止の動きが過熱するばかり。もう二度と会えないかもしれないと空を見上げる結花の視線の先で、吾郎は朝鮮半島東海岸沖での新日本海軍との壮絶な戦闘に身を置いていた。