内容紹介
山田正紀の『蜃気楼・13の殺人』は、全長10キロの密室で13人が消える奇怪な事件を描いたミステリの傑作。
『美しい蠍たち』は、山田正紀が描く独特な世界観と心理描写が光るサスペンス作品です。女性のみが登場するこの物語は、蠍のような毒を持つ“危険な女たち”の間で繰り広げられる謀略と葛藤を描いたもの。館という閉ざされた空間を舞台に、人物間の緊張感が絶妙に描写され、読み手を一瞬たりとも退屈させません。
『不可思議アイランド』は、SF、ミステリ、ショート・ショート、時代小説といった多彩なジャンルの作品を収録した一冊です。本書を通じて、山田正紀の幅広い作家性と独特の物語世界を堪能することができます。各作品は異なるテーマとスタイルを持ちながらも、共通して読者の想像力を刺激し、深い余韻を残します。
東京郊外のK市にある聖テレサ医大病院の老人病棟を舞台に、幻想とリアリティーが入り混じった骨太のミステリが展開される。それが山田正紀の代表作「恍惚病棟」である。
山田正紀の『人喰いの時代』は、ミステリーとしての面白さはもちろん、時代を映す鏡としての価値も高い作品です。各短編を通じて、読者は昭和初期の北海道という北国の雄大な大地と時代が作り出す”人喰い”のメタファーを軸に、人間が抱える狂気と矛盾が諄々と描き出されています。