内容紹介
“何が起こっているのかすらわからない”――そんな謎の霧の中から浮かび上がる真実に、あなたはついてこれるか? 山田正紀『屍人の時代』は、探偵小説の形式を借りて、「時代」と「死」の記憶を手繰り寄せる稀有な短編集。昭和の終わりから平成の中頃まで、風景も人物も違うのに、どこか通底する死者たちの声が聞こえてくる……。
収録作品
- 神獣の時代
- 零戦の時代
- 啄木の時代
- 少年の時代
不安と月 人気推理作家・新珠静香は、「援交探偵・野添笙子シリーズ」で成功を収めている。ある日、R拘置所に収監中の囚人・水頭男(すい・ずつお)から奇妙な依頼を受ける。彼は静香の連載小説の結末を予め書いて送りつけてくる異常な行動をやめる代わりに、「バラバラにされた私の腕や足、頭を探してほしい」と告げる。さらに、行方不明の静香の娘・野副晴香の居場所を教えるという。静香は水頭男の指示に従い、スキンヘッドの男・アイや奇妙な名前の人物たちと関わりながら、虚構と現実の境界が揺らぐ事件に巻き込まれていく。やがて「サイコトパス」、あるいは「ベラスケス・エンジン」と呼ばれる謎の存在が浮かび上がり、物語は予想外のSF的展開へと突き進む。