内容紹介
正義の境界線が曖昧になった1990年の東京──クズ刑事たちが挑む小事件の先に待っていたのは、想像を絶する”町の消失”だった!? 山田正紀が描く、洒落たネオ・エンタメ警察小説。
正義の境界線が曖昧になった1990年の東京──クズ刑事たちが挑む小事件の先に待っていたのは、想像を絶する”町の消失”だった!? 山田正紀が描く、洒落たネオ・エンタメ警察小説。
物語の主人公、弥島は、かつて経営していた町工場の倒産により、巨額の負債を抱え、愛する妻と娘のために離婚を選びました。取り立ての影に怯えながら、孤独と焦燥の日々を送る彼の元に届いたのは、義妹からの悲劇的な知らせ――妻と娘が交通事故に遭い、生死の境をさまよっているというのです。病院に駆けつけた弥島を待っていたのは、冷たい現実でした。二人は、すでにこの世を去っていたのです。警察はひき逃げ事件として捜査を進めますが、弥島の胸には拭えない疑念が湧き上がります。なぜ、こんなことに? 事故の背後には、一体何が隠されているのか? 彼は、たった一人、凍てつくような真実を追い求める旅に出ることを決意します。
ベトナム戦争末期、極秘日本人部隊に下された奇妙な指令――**「ジャングルに軟着陸した戦艦を回収せよ」**。メコン川から舞い上がったという戦艦には、麻薬が詰め込まれているとの噂もあった。
だが、密林を進む部隊を待っていたのは、鉄砲水、蛙の雨、そしてベトコンの銃弾。装甲戦闘服「パルメット・バグ」を駆使しながら戦場を突破するも、異変は次々と起こる。幻覚にも似た現象の中、作戦「OZ」の真の目的とは一体何なのか?
本作は『オズの魔法使い』をモチーフにしており、戦場の異常性と幻覚的な要素が混じり合った異色の戦争SFとなっている。
『装甲戦士1』は1971年のベトナム戦争を舞台に、未来的な装甲戦闘服をまとった日本人部隊の戦いを描く山田正紀のSF作品です。主人公・原田蒼生(はらだ・そうせい)は、ひょんなことから米軍傘下の極秘部隊に加わり、過酷な訓練を受けた末に「パルメット・バグ」と呼ばれる装甲スーツを支給されます。これを着用すれば、兵士は超人的な力を発揮できるのです。
やがて彼らの任務は、ベトナム戦争の激戦地「イヌの痩せる場所」の制圧へと向かいます。しかし、この戦争には単なる軍事作戦以上の「何か」が潜んでいました……。
物語は、世間を震撼させた連続婦女暴行殺人事件から始まる。裁判の結果、証拠不十分で容疑者・工藤芳雄は無罪となるが、世間の目は冷たい。彼とその家族は社会から疎外され、崩壊していく。そして、芳雄が突然姿を消したことで、再び事件が動き出す。果たして、彼は本当に無実なのか? それとも……?
短編集『1ダースまであとひとつ』は、そのタイトルが示す通り、完全なダース(12)のうち、あとひとつ欠けた11篇の物語から構成されています。SF、ミステリ、時代小説、ホラーなど、多彩なジャンルが融合したこの作品集は、読者に幻想的でありながらも現実味を帯びた物語世界を提供しています。本記事では、各短編の魅力やテーマ、そして山田正紀独自の文学的表現について詳細に解説し、現代文学における本作の意義を考察します。
本作は、犯罪や陰謀を題材にしつつも、単なるクライム・フィクションではありません。登場人物たちは、時に冷徹な計算を持ち、時に直感的な判断を下しながら極限状況に追い込まれていきます。そのゲーム性の高さは、『贋作ゲーム』や『ふしぎの国の犯罪者たち』と通じる部分もありながら、本作独自の切迫感が光ります。
「謀殺の翼747」は、山田正紀の冒険小説の真骨頂を示す作品である。ハイジャックという犯罪形態を通じて、国家、権力、人間性の深層に迫る卓越した物語世界を構築している。読者を引き込む緊迫感と、人間的な繊細さが見事に融合した作品と言えるでしょう。
山田正紀の長編小説「第四の敵」は、ジャーナリズムとフィクション、歴史の謎を絡め取った驚異的な物語である。この作品は、作者の得意とする歴史ミステリーの系譜に位置し、カフカという文学的アイコンを軸に、複雑な陰謀の物語を紡ぎ出している。